
His Lost Queen 失われた女王 12 巻
Author
Annie Whipple
Reads
🔥42.6M
Chapters
4
この巻は「His Lost Queen 失われた女王 11巻」からの続きです。
第49章
グレイソン
「冗談でしょ?」 ベルが聞いた。
「冗談じゃないよ。冗談だったらよかったけど。あの予言はすべて真実だ」
ベルは振り返った。すぐに彼女を演壇に押さえつけて俺の体で挟まなければ、彼女はパニックになって俺から離れようとしただろう。
俺の胸を見つめるも、彼女の視線は焦点が定まらず、思考は時速100万マイルで駆け巡っていたようだ。「妖精。妖精ね。わかった、私、その……」 彼女は大きく息を吐いた。「ごめんなさい。今、一生懸命、理解しようとしているから」
「大丈夫だ」と、彼女をなだめながら言った。「ゆっくりでいいから」
「妖精ねえ」 彼女はもう一度繰り返した。「でも、それってどういう意味?」彼女の声が1オクターブ上がった。「一緒にいたいなら、私、妖精にならないといけないの?
「だいたい、妖精がどんなものか、何か知らないし。妖精って何をするんだろう? どんな力があるの? 妖精になるのって痛いの?
「オオカミに変身する時、最初はすごく痛かったって言ってたでしょ。そんな感じなの? すぐにそうなるの? つまり、終わったらすぐに気を失ってとか? それとも数日かかって…」
「おい、おい、おい」と言って、両手で彼女の顔を挟んだ。「深呼吸してくれ。オオカミが興奮しないように落ち着いてくれ」
俺の中では内なる獣が意識と戦う準備をしているのを感じていた。
俺のオオカミは彼女を毛皮で包み込み、無理やり眠らせたかった。彼女が動揺しているときはいつでも、ぐっすり眠ることが必要なのだと確信していた。
ベルは最初、俺の言うことを聞かなかった。彼女の目の奥で、このすべてを処理しようと思考が慌ただしく動いているのが見えた。
「おいで、ベイビー」 そう言って、喉鳴らし音で振動する胸に彼女を引き寄せた。
彼女は一瞬だけ抵抗したが、振動に頭を預け、腕を回してきた。それと同時に、彼女の筋肉が弛緩し始めた。
「そうだ。それでいい。ゆっくり呼吸して」
数秒間そうしていたら、ベルが胸の中で話しかけてきた。「だから私と…一緒にいなかったの?」
俺の体に緊張が走った。「できることなら、メイン州のホテルで最初の夜を過ごしたかった。君と結ばれないことがずっと俺を苦しめているんだ」
「なんで言ってくれなかったの?」
「言いたかった。どんなに言いたかったかことか。でも、あのときは君を見つけた直後だった。アザゼルや、ヴァンパイアや、女王になることで、俺は君に多くの重荷を抱えさせた。
「それに君の信頼を取り戻し始めたばかりなのに、君を不安にさせるわけにはいかなかった」 彼女の髪を撫でながら続けた。「君にそれ以上のストレスを与えたくなかったんだよ」
「ということは…私たちはこの先、交尾の儀式を終えることはないということ?」 ベルが俺のシャツを掴んだ。「交尾のあとに起こることが怖いから、そういう関係にはならないってこと? 」
「絶対にありえない。俺は君とそのかわいい蜜壺も手に入れる。それもすぐに。それだけは間違いない」
「でも……」
「何にも、誰にも、俺が俺のものを手に入れる邪魔はさせない。わかったか? 交尾しなければ、ふたりとも気が狂ってしまう。絆はすでに俺たちを結びつけようと迫っている。
「それに、君はあの美味しそうなランジェリー姿で跳ね回っているし……」
「ああ、それについては謝らないわよ。あのランジェリーはちゃんと仕事をしてくれたもの。あなたの注意を引いたでしょ? あなたもやっと正直になってくれたし」
「あれは注意を引くなんて生易しいもんじゃなかったぞ。君にはわからないと思うけど、その場で君をレイプする寸前だったんだから」
彼女はつま先立ちになり、俺の首に腕を回した。そして、この小悪魔は俺の唇をかすめるように自分の唇を左右に動かしながら、「もう一度……そのお仕事をするわ」とささやいた。
まるで独立した意思があるように、俺の手は彼女の完璧な尻をめがけて降りていき、優しく包むと突然彼女の完璧な小さな尻を前に引き寄せて、彼女の影響力の大きさを彼女自身に伝えていた。
「誘惑するな、ベル」と俺はうなった。「もう限界ぎりぎりなんだ。少しは情けをかけてくれ」
岩のように硬いペニスが腹に当たっているのを感じて、彼女の瞳孔は大きく開き、ダイヤモンドブルーの虹彩はほとんど見えなくなっていた。
俺はふたりが惹かれ合っていることを強く意識していた。
より深いレベルでのつながり、つまり岩のように硬くなったペニスでびしょ濡れの蜜壺を俺の名前を叫ぶまでかき回すことを、必死に求めている俺たちは、この真剣な話に集中するのが難しかった。
パートナーの絆が強要する恍惚状態を最初に断ち切ったのはベルで、その目から欲望を追い払った。
「それで、これからどうするの?」と言って、ベルは苦しそうに息をした。「妖精になるってどういうことなの?」
俺は歯を噛み締めた。「正直に言うと、俺にもわからない。フェイに関する情報を手に入れられるだけ集めて読んでみたが、ほとんどは神話や迷信だった。エヴァンジェリン・ヴィオットは妖精として生まれた。
「彼女は変身する必要がなかった。だから、俺の知る限り、妖精に変身するのは君が史上初となる。どうなるのかわからないし、どうやって君を守ればいいのかもわからない」
突然、ベルは後ろに下がって俺の胸を叩いた。何度も叩き続けたて、怒りを俺にぶつけていた。もちろん痛くはなかったし、それどころか愛らしいとすら思った。
「どうして、私に、何も、言わないの?」 手のひらで俺を叩きながら彼女はそう叫んだ。
「この大バカ野郎! このクソ野郎! 私に何も言わずにひとりで抱え込んでいたんでしょ?」
絆を通して彼女の本当の怒りが伝わってきたが、ほとんど力を入れずに岩のように硬い胸を叩きながら、この数週間の苛立ちを俺にぶつけるかわいいパートナーを見て、にっこりせずにはいられなかった。
「わかったよ、ベイビー。もういいよ。それ以上やったら怪我をしちゃうから」と俺言って、彼女の手首をつかんだ。
彼女はもがいて手を引き抜こうとしたが、俺は放さなかった。このまま続けたら、彼女の完璧な手のひらにあざができそうだった。
俺のヴァンパイアは彼女を落ち着かせようと喉鳴らしで鳴き始めたが、それは逆効果だったようで、ベルは怒りに満ちた目で俺を見上げて睨みつけてきた。
「いやよ! そのバカな鳴き声で私を操るのはやめて、このバカで、マヌケで、人を操る、ヴァンパイアの、人狼の、野郎……なやつめ! あーもう!」
その反応に少し驚いた。予言のことを話したときのベルの反応はいろいろ予想していたが、この反応は予想すらしていなかった。
たしかに、彼女は落ち着くために感情を発散する必要があった。そこで俺は彼女の手首を解放し、鳴き声を止めて、彼女のやりたいようにやらせることにした。
俺の大胸筋を強く叩いたとき、彼女は「いたっ!」と叫び、再び俺を睨み上げた。
「どうしてそんなに筋肉質なの? あなた、人間っていうより巨大な岩みたいじゃない!」 そう言いながら、彼女は何度も俺を叩いた。でも、軽く叩く程度の叩き方がなんとも言えずかわいかった。
俺は何も言わず、楽しそうに彼女を見守り続け、彼女がすべて吐き出すのを待った。
1、2分もすると彼女の体力が尽き、俺の胸に倒れ込んだ。彼女の背中を撫でてなだめ始めると、俺の胸の中でまだ文句を言っていた。
「気分はよくなった?」 彼女の頭に唇をつけながら聞いてみた。
ベルは「まだよ」と言い返した。「あなた、ときどき、本当にわかりづらいのよ。自覚ある?」
「前にそう言ってたね」
しばらくの沈黙の後、ベルはたずねた。「私に翼が生えてくるの? えっ、それって、私、飛べるってこと? だって妖精は飛べるんでしょ?」
俺は首を振った。「わからない。詳しいことを教えてあげたいんだけど、妖精は必要に応じて能力を発達させるという伝説がある。だから、みんな違うんだ。君がどうなるのか、俺にもわからない。
「君がオオカミに変身するならいろいろ教えてあげられるんだけど、妖精は何年も前に絶滅してしまったんだ。この問題に慎重になる理由がこれなんだよ。君が傷つくリスクはおかしたくないんだ」
「そういうこと、わかった。つまり、セックスが私を殺す可能性があると思っているんだ。そうでしょ?」
彼女の死を気軽に話しているのが嫌で、俺はうなり声を上げた。「そうだ」
彼女はうなずいた。「わかった。でもね、私の話を聞いて。完璧な解決策があるよ」と彼女は一息ついて、「とりあえずセックスしちゃったらどうかな?」
「絶対にダメだ」
頭を後ろに倒してから、ベルはうめき声を上げた。「ちょっと過剰反応しすぎだと思うの。ほら、予言で私は女王になることになっているでしょ。死んだら女王にはなれないもの」
「エヴァンジェリン・ヴィオットも女王だったけど、彼女がどうなったか知っているだろう? 危険は冒せないんだ、ベル。
「今まで妖精に変身した人がいないから、それがどういうものかわからないんだよ。たとえ生き延びたとしても、怪我をするかもしれないし、後遺症が残るかもしれないし……ベル、聞いているか?」
ここでも俺は彼女の死について話していた。それは俺にとって一番避けたい悪夢なのに、彼女は何か考えているらしく、俺の話など聞いていなかった。
彼女がまた俺を見た。「ごめんね。ちょっと考えていることがあって……この問題の解決策を思いついたかもしれないの」
























