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Fighting Darius 忘れたかった男との再会 2巻
リップリングを味わって
ペニー
出かける気分じゃないけど、家にいて、ダリウスと彼女のエヴァと感じよくしながら過ごすのも嫌だ。エヴァとは数年前に一度、パーティーで会ったことがある。二人が付き合い始める前だ。ダリウスと彼女が一緒にいるところを考えると、まだ胸が痛む。
二人が着く時にはできる限り家から離れていたい。
さっき、リリーにメールをして、パーティーに行くと告げた。
返事には、今夜のテーマは「カウボーイ・カウガール」だということ、寮に来てほしい、パーティーの前に一緒に夕飯を食べよう、と書かれていた。
アマンダとキーシャは他の女の子たちともう街で遊んでいるらしい。別の女の子の家から、直接パーティーに行くそうだ。
カスピアンは、ダリウスたちは午前0時くらいに着くと言っていた。時間はたっぷりある。
自分が臆病者みたいに逃げ回っているのはわかっている。でも、まだダリウスと向き合う準備はできていない。もしかしたら、いつかは…彼の姿を見た途端、去勢してやりたい気持ちにならなくなったら。つまり、絶対に無理ということ。
クローゼットをかきまわし、「カウボーイ・カウガール」のテーマに合う服装を探す。一足だけ持っていたカウボーイブーツが見つかった。
背中が空いた、コットンの白のサンドレスをブーツに合わせることにした。膝上数センチの短めの丈だ。
カリフォルニアの暖かな夜にはぴったりの格好だった。別のパーティーに移ることになっても場違いにはならないだろう。
少しだけメイクをして、髪は自然なウェーブのまま下ろすことにした。ステットソンの帽子を持っていないのが残念だ。
支度を済ませ、一階に降りようとした時、玄関先で話し声が聞こえた。ジュノがむずむずとうごめく。
嘘でしょ…もう来ちゃったの? そんなはずはない。カスピアンは、真夜中と言ったのだ! でも、匂いを鼻先に感じる。彼の匂いだ。あのクセになる香りはどこにいたって嗅ぎ分けられる。
心臓が早鐘のように打ち始める。もう一人、嗅ぎ慣れない匂いもした。カスピアンのバカ!
私の友達と話す聞き慣れない女性の声が聞こえる。不明瞭で、何を言っているかは聞き取れない。でも、誰なのかはわか流。
セレナ、ジェネシス、コンスタンティン…。会話が途切れた。それから、カスピアンの声、そして、知らない女性が笑う声、そして…彼の声。
思わず、ひゅっと息を吸い込んだ。彼の声を聞くだけで、前の状態に逆戻りしてしまう。頭がおかしくなる。
私の頭の中では、彼は私のものだった。彼の近くに寄る女はみんな嫌った。痛いほどの嫉妬は私を切り裂いた。3年間、それに耐えたのだ。必死で戦った。もう疲れ切った。
これ以上はできない。
最後の時が一番つらかった。彼とポリーナがベッドで一緒にいる情景が脳裏をよぎるたび、私の心は何度でも燃え尽き、ボロボロにひび割れる。
あの後、私はどこかに這っていって死にたいと思った。今でも、時々そう思う。
自分の愚かさに腹が立った。その怒りを彼に向けたのだ。彼を憎みたくて仕方なかった。でも、まだ無理だ。彼が憎いと自分に言い聞かせているだけだ。
なぜ、彼はここにいる? 他のところじゃダメなの? 地獄とか。
無理だ。まだ彼とは向き合えない。心の中で多くの感情が渦巻き過ぎている。不安、緊張、興奮、悲しみ、怒り。
一番は、腹が立っている。
怒り過ぎて、誰かの顔にパンチを食らわせてやりたいくらいだ。股間を蹴ってやりたい。尻に野球のバットを突っ込んでやりたい。
暴力的な考えが次々に浮かぶ。明らかに、今日の切り株との戦いは、怒りを収めるのに十分じゃなかったらしい。
私は階段を忍び足で降り、カスピアンのポルシェの鍵をつかむと玄関から急いで出た。二人が早くに着くと教えてくれなかったことへの個人的な復讐だ。
***
目を閉じて、大音量の音楽に合わせて体を動かす。安いビールと汗と、何かも考えたくない他の嫌な匂いを無視しようとしながら。
ブーツの下の床はベタベタしている。時折首を逸らし、ボトルに入った酒を飲み干す。バカなライカン。私に近づくな。頭の中から出ていけ。
ここに来る前に、リリーとマム・アンド・ポップス・バーガーでハンバーガーとフライを食べてきた。カスピアンのことを聞かれまくって、友達だと何度も説明したけれど、全然納得していないようだ。
クラスメイトのセクシーなイケメン、ダニエルは、初めのうちは私を楽しませようと頑張っていたけれど、冷たくし続けていたら、他のもっと気のありそうな女の子の方に移っていった。
すぐ後に、アマンダとキーシャにも会った。アマンダにはどうして「彼氏」を連れてこなかったのかとしつこく聞かれた。
カスピアンが本当に来ていないことを確かめると、彼女はダニエルを探しに行ってしまった。
どうして女子はこんなにカスピアンに夢中になるんだろう? ただの厄介なトラブルメーカーなのに。欲しくないのにできた面倒な弟みたいなものだ。とはいえ、あのクソライカンのことを愛してはいるんだけれど…馬鹿げた振る舞いも含めてね。
でも、番いにするのは想像もできない。リリーは少し前まで隣で踊っていたけれど、今はどこかに行ってしまった。探しに行かなきゃ。でも、忘れる必要がある。魚みたいに酒をがぶ飲みしてる。
何それ。変なの。魚が酒を飲む?
人混みの中、ダニエルを探すけれど、目についたのはダークブラウンの目をしたリップリングの男だった。
今夜は彼で我慢しよう。
ダリウスを忘れられるなら、何だっていい。
***
夜は瞬く間に更けていく。誓ってもいい、ダリウスの幻覚を見た。
カスピアンの車を運転して帰るには酔い過ぎていたから、歩いて家に帰った。
家に帰ると、暗く、しんと静まり返っていた。
階下のダリウスの匂いは薄れていた。でも、寝室に向かうと、その匂いが強くなり、頭がくらくらしてくる。
「ペルセポネ」薄暗がりの中、長身の影がベッドから優美な動きで立ち上がる。「なぜ口紅が滲んでいる?」
彼だ…。
ダリウス。
「他の男の匂いがするぞ、ペルセポネ」と、彼は唸った。
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