The Lycan's Queen 孤独な王の運命の相手は傷心したての私でした4 - 表紙

The Lycan's Queen 孤独な王の運命の相手は傷心したての私でした4

L. S. Patel

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Chapter
15
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18+

Summary

この巻は「The Lycan's Queen 孤独な王の運命の相手は傷心したての私でした3」からの続きです。

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8 Chapters

Chapter 1

第15章

Chapter 2

第16章

Chapter 3

第17章

Chapter 4

第18章
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第15章

「味――わう」私はどうにか言葉にした。

アドニスの笑みが広がる。「そう、味わう。君の全身が私を求めている、可愛い人」

アドニスが近づいてきて、私はごくりとつばを呑み込んだ。もちろん、私は本能的にベッドの上のほうへと移動し、彼から離れた。

彼がほんの一瞬目を細めた。突然、私は獲物になったような気がした。アドニスは捕食者だ。彼が私を貪るように見つめている。

私が何も言ったり、したりできないうちに、彼は私の足首を掴んでベッドの下のほうへと引きずり下ろした。私は悲鳴を上げた。

「私から隠れる場所はどこにもない。君の欲望の匂いを嗅いだから、どうしてもそれを味わいたくなった」アドニスが私に覆いかぶさってきて、耳元で囁く。

どうしよう、私はこの人に殺される。私は自分の墓碑銘が頭に浮かんだ。「アドニスによってもたらされた 欲望によって死亡」

アドニスが顎から首筋へと軽く唇を這わせてきて、私の思考回路は切断された。ああ、どうして彼の唇はこんなにも気持ちいいの?

彼がさらにキスを続け、私は目を閉じた。私は、彼がまた私の唇にキスしてくれることを願った。意地悪なアドニスは、私の唇の近くまで迫りながら、唇にはキスしてくれなかった。

彼は自分が私に与えている影響に気づいていないのか、それとも気づいていて私の欲求不満を楽しんでいるのか、どちらだろう。

いいわ、彼が最初の一歩を踏み出さないなら、私から動いたっていいんじゃない? いらだちにうめきながら私は目を開け、アドニスの頭を掴んで唇を強く押しつけた。

アドニスが唸り声を上げ、唇を激しく押しつけて返して、私の上に乗ってきた。

ああ、彼の唇ってなんてステキなの! 私は彼の顔を引き寄せて、ますます激しくキスをした。

もしこれで死んだとしても、かまわない。だって、キスをやめたくなくなるような男とキスをしたのだから。

アドニスは私にキスするのをやめて、私の額に額を合わせた。二人で呼吸を整えている。

「いや、こういうのは期待していなかった」とアドニスは遂に言った。

「どうして? 女性から動いちゃいけないってこと?」

「君は私を怖がっていると思っていたから」

「どうしてそんなふうに思うのかしら? 私はあなたを怖がってなんかいないわ。それよりもむしろ……」私はその先の言葉を探した。

アドニスの視線が私を貫く。何かを探しているような目だ。

「それよりもむしろ?」と囁くような声で尋ねてくる。

「それよりもむしろ、魅かれてるわ」彼の唇が私の首筋に触れて、私は息を呑んだ。

「君は最高に美味しい、可愛い人」アドニスが私の首筋で唸る。

私は喘ぎ声を上げたくなかったが、アドニス相手に、それを止めるのは難しい。彼は首筋への攻撃をやめ、その唇を胸へと向かわせた。

彼のはしばみ色の目が私の目と合って、私は思わず息を止めた。これほど私への欲望と愛に満ちた目は、これまでに見たことがない。

アドニスは私を見つめ、唇を私の耳元へ寄せて囁いた。「息をして、可愛い人」

その言葉を聞いて、私はようやくふぅーっと息を吐いた。息を止めていたことに自分でも気づいていなかった。

「アドニス、何してるの?」

「君がしてくれていることに比べたら、何でもないよ」アドニスが私の耳にキスをする。

彼は起き上がり、私を起こしてくれたので、私は彼にまたがるような格好になった。正直なところ、私は彼のあまりの熱さに耐えられなかった。

「私にキスしようとする君は、信じられないほどセクシーだということを、君は知ったほうがいい」とアドニスは言った。

「気に入った?」

「ああ、とても。可愛い人。君は自分が思っている以上に自信があることを、自分自身にも私にも証明したね。自分に自信のある女性を見ることほどしびれることはない」そう言ってアドニスはにっこり笑った。

「あなたはいつも、私を夢中にさせる適切な言葉を知っているのね」と私は言った。

彼が何か答える前に、私は彼の首に腕を回して引き寄せた。

アドニスはくすくす笑いながら、私の腰に腕を回してきた。

「いくらでも逃げられると思うなよ、可愛い人。私は味わいたい」アドニスが囁きかける。

「もう味わったんじゃないの?」

「君への飢えはまだ満たされていない。私は君の体の最も秘めやかな部分を味わいたい」そう言ってアドニスは私の首筋にキスしてきた。

「ディミトリ?」と彼を呼ぶ声がした。

「無視しよう」アドニスはそう言って抱擁を解き、私の顔を指でなぞった。

私は喜びに震えた。

「ディミトリ? そこにいるのはわかってる! お願い」と、またあの耳ざわりな声がした。

ドアのところにいるのが誰かを、脳がゆっくりと認識したとたん、私の頭を曇らせていた欲望はきれいに消え失せた。

私はうめき声を上げてアドニスの膝から飛び降り、ドアを開けると、そこにはやはりサヴァナがいた。

彼女は、何か言いかけたところで、その視線が私に釘づけになった。腫れ上がった唇、乱れた髪、そしてアドニスのシャツを着た私は、おそらくひどい姿だっただろう。

「何かご用かしら?」私は尋ねた。

「どうしてあなたが彼のシャツを着てるの?」サヴァナが吐き出すように言う。

私は呆れ顔で天井を見上げた。「どうしてまだここにいるの? アドニスから、もうお呼びじゃないって言われたでしょ」

「何の用だ?」アドニスが私の上から言う。

「あの、あなたに聞きたくて……もし……」サヴァナは言いかけて、そこで視線を下のほうに向けた。

私は目を細めて彼女を見た。振り返ると、アドニスが上半身裸でそこに立っていた。この女は私の番いをチェックしていたんだわ。

私は唸りながらアドニスを押しやり、彼女とドアのあいだに体を差し入れた。これで私とサヴァナだけになった。

「私の番いをじろじろ眺めまわして恥ずかしくないの?」私は彼女を睨みつけた。

「彼は私の番いになるはずだったのよ」

「そうね、そうだったわね。でも、彼は私を見つけた。だから、もうあなたの居場所はないの。これが私からの最後の警告よ。私とアドニスのことは放っておいて。このフロアには二度と来ないで」私はぴしゃりと言った。

彼女に言い返す隙さえ与えず、私はくるりと向きを変えて中に戻った。そこにはアドニスが当惑しながら立っていた。

「何よ? スポーツブラ姿の私を肩にかつぎ上げておいて、元カノがあからさまにあなたをじろじろ眺めまわしているのを、私が怒っちゃいけないって言うの?」私は目玉を上に向けた。

「怒るとセクシーに見える。嫉妬が似合うね」アドニスがニヤニヤ笑っている。

「次はシャツを着て」と私は言って、ワードローブに別のシャツを探しに行った。

服を着替えて、私は部屋を出ていこうとした。アドニスと同じ部屋にいるのは、よい考えではない。

「どこに行くんだ?」

「わからないけど、どこか」と私は答えた。

「うーん、せっかくの時間が台無しになったな。別の日に味わうことにするよ」と言って、アドニスは私にウインクしてみせた。

「それとも、二度とないか……」と私は言い返した。

「私はすぐにそれを手に入れることを、二人とも知ってるだろ。私は欲しいものは手に入れる」アドニスが私を見つめてきた。抗うのが難しい。

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