Galatea logo
Galatea logobyInkitt logo
Get Unlimited Access
Categories
Log in
  • Home
  • Categories
  • Log in
  • Get Unlimited Access
  • Support
Galatea Logo
Support
Werewolves
Mafia
Billionaires
Bully Romance
Slow Burn
Enemies to Lovers
Paranormal & Fantasy
Spicy
College
Second Chances
See All Categories
Rated 4.6 on the App Store
Terms of ServicePrivacyImprint
/images/icons/facebook.svg/images/icons/instagram.svg/images/icons/tiktok.svg
Cover image for Hated By My Mate 私の大事な人は私が嫌い 2巻

Hated By My Mate 私の大事な人は私が嫌い 2巻

第7章

ウルフギャング

森を駆け抜け、起こったことをすべて忘れようとした。

ならず者たちは一歩たりとも動かなかった。俺がそこに着く頃には、彼らはいなくなっていた。一体何を企んでいたんだろう?

パートナーのところに帰ったのかもしれないな。クロノスは不平を言った。俺のチャンスをふいにしやがって。
まるであの獣どもにパートナーがいるかのような言い草だな。
でも狼と似た部分もあるみたいだぜ。

クロノスの声をシャットアウトしようとした。昨晩泣いているオーロラを部屋に残して以来、彼は黙ろうとしなかった。

今夜はパトロールに出ることにした。オーロラのことを考えないようにするためだ。でも、美しいグレーの瞳が、悲しみに満ちた表情で俺を見つめているのが忘れられなかった。

彼女がここにいる!クロノスが頭の中で叫び始めた。
一体何を言っている、バカじゃないのか?

その瞬間、甘い香りが鼻孔に入った。

どこにいてもこの匂いを嗅ぎ分けられるだろう。彼女の匂いだ。

オーロラが近くにいる。でもこんな夜中に、一体何をしていたんだろう? 無防備に走り回るのは危険だ。

怒りが燃え上がった。

こんな森の中、国境の近くで、一人で何をしていたんだ?

どうでもいい!彼女に何か起きる前に見つけろ!クロノスが頭の中で叫んだ。

俺は彼女の匂いを辿って、国境近くまで疾走した。国境に近づくほど匂いも強くなり、不安に駆られた。

空き地にたどり着いた。湖のすぐそばには、雪のように白い毛並みと、アメジストのように輝く瞳の美しい狼が座っていた。

誰だろう? 美しい狼だが、このような変身姿を見たのは初めてだった。

通常、狼の真の姿は人間の特徴に似ている。毛は人間の髪の色に似るし、目は人間の目と同じ色合いになる。

しかし、この狼はまったく違っていた。

白い毛に紫色の目...…。

どういうことだろう?

前に何かで読んだことがあるが、何で読んだのか思い出せなかった。

ただただ、あまりの美しさに圧倒されていた。

全部無意味ね。この町に居続ける理由はない。荷物をまとめて出て行こうかな。

オーロラの声が頭の中で鳴り響いた。この狼はオーロラだったのか?

町を出て行くつもりだったのか?

そうだ、母さんが育った東部の村に行こう。いつかそこに行くのが夢だったんだから。

間違いなくオーロラだった。なぜ彼女の狼はこんな姿に?

でも、今はそんなことを考えている余裕はなかった。

彼女が村を出ようと考えているのだ。

俺たち2人にとって、特に俺にとっては最善の選択肢であるはずなのだが......。

彼女がこの町を出たがっていることで、無性に怒りが込み上げた。

俺は無意識のうちに一歩踏み出し、存在を彼女に知らせようと、小枝を踏んで折った。

彼女は警戒して立ち上がり、敵が姿を現すのを待った。

他に選択肢はなかった。隠れていた場所から前進して、彼女に向かってうなり声を上げた。俺のほうが強いことを示したかった。

今すぐ彼女をマークしたかった。

彼女から聞こえたのは「まずい」という声だけだった。クロノスも唸っていた。

オーロラ

狼が近づいてくるのを見ながら、私は警戒して立っていた。彼はうなり声を上げたが、それだけで私は恐怖で身をかがめた。彼のオーラは威厳を放っていた。

クレイトンさん、村から逃げるつもりか?

その時、風が運んできた匂いで、この狼が誰だかわかった。

アルファ・ウルフギャング...…

私は鼻が地面につくまで頭を下げた。

俺はあなたに質問したんだ、クレイトンさん。再び頭の中で彼の声がした。

マインドリンクだ。父や他の人たちが話しているのを聞いたことがある。私は頭を上げて彼を見た。

はい、ここを離れて、母が育った村に行こうと思っていました。
俺に受け入れられなかったから村を出るのか?威嚇するような声だった。彼はこちらに近づき、私を囲み始めた。
あなたに拒絶されたからです。この村に残る理由はもうありません。地面に視線を落としているしかなかった。

結局のところ、私はパートナーも得られないうえに、この村には家族も残っていなかった。両親は亡くなり、私は一人娘だった。

モンタナは私を育て、かわいがってくれたが、私は亡き夫の娘でしかなかった。私が自分の身を守れるようになるまで、私の面倒を見るしかなかったのだ。

でも今、私は法的に成人した。村を出ても自力で生きていける。

~この一族を抜けるには、アルファの許可証が必要なのは知っているな? それがなければ、ならず者としてマークされる」彼の青い目は私の目を深く見つめ、続けた。

そして俺は君に許可を与える気はない。だから、ならず者としてマークされ、一族の保護なしに歩き回りたいのでなければ、ここからは出られない。

私は呆然と立ち尽くしていた。

すみません、えっと……?私はまだその真意を理解しかねていた。

ウルフギャング

俺は一体何を言っているんだ? オーロラには村を出ようと思えば出られる権利がある。それに、その方が都合がいい。拒絶したパートナーを、今後見ることも思い出すこともなくなるのだ。

お前って本当に訳のわかんないやつだな。クロノスは不満げだ。
クレイトンさん、あなたはこの村から出ることは禁じられている。もし出れば、ならず者としてマークする。わかるか?

オーロラといると、いつも頭が働かなくなる。

どうして!?彼女は叫んでいた。どうしてこんなことをするんですか? あなたはもう私を拒絶した、生涯パートナーなしで過ごせと言った! それなのにどうして出ていくことまで禁じるのですか?

俺は振り向きざまに、アルファに口答えした彼女の頭を噛み千切ろうとした......。しかし、彼女の姿を見て止めた。

彼女の白い毛並みは月明かりに輝き、アメジスト色に輝く瞳は対抗心に満ちていた。彼女は堂々としていた。

彼女、きれいだな。クロノスの声に、一瞬同意しそうになった。頭を振って同意を追い払う。
拒絶された? 俺がいつそんな拒絶した?
わ、私の家で足手まといって言ったじゃないですか……。こらえきれず頭を落とす彼女に、罪悪感が芽生えた。
たしかに足手まといとは言ったが、彼女の近くまで歩きながら言う。正式に君を拒絶する機会はなかった。

俺たちは向かい合った。沈黙が流れていた。

以前は彼女を正式に拒絶しようとして、邪魔が入った。

今がそのチャンスだった。こんな馬鹿馬鹿しいことを終わりにするチャンスだ。

後悔することになるぞ。クロノスの声がした。自分に嘘をつくのはやめろ。彼女は正式なパートナーだ。

クロノスの言うことを聞きたい自分もいた。だができなかった。一族の強さを維持しなければ。ならず者たちはまだ国境にいる。弱いルナを迎えて言える余裕はなかった。

オーロラの瞳を見つめながら、彼女の心を永遠に打ち砕く覚悟を決めた。

Discover more stories to read

Discover Galatea

パリの危険な恋 ―目覚めた狼は止まらない― 13巻夜が更ける頃に ―米国実業家の秘密― 5巻The Millennium Wolves ミレニアム・ウルフ 5巻The Lycan's Queen 孤独な王の運命の相手は傷心したての私でした3Trapping Quincy 運命に逆らうクインシーと王子の出会い 6巻

Newest Publications

His Lost Queen 失われた女王 1巻His Lost Queen 失われた女王 9巻His Lost Queen 失われた女王 6巻His Lost Queen 失われた女王 11 巻His Lost Queen 失われた女王 7巻